熱と環境

熱と環境 ☆

 快適な室内環境の研究は、いろいろな形で行われて今日に至っている。特に、空気調和設備の先進国であるアメリカでは、温度感覚の表示のしかたや温度要素に対応する快適条件を実験的に求めたものがある。
 現在、使用されている温湿度の感覚表示には、次に上げるように温度、湿度、風速、周壁よりのふく射の四要素のうち1つ~4つの要素を組み合わせて表示する方法がとられている。

気温

 乾球温度計の指示値による。

湿度

 乾湿球温度計の指示値による。

有効温度 E.T.(Effective Temperature) ☆

 実感温度、実効温度ともいわれ、ヤグロー氏が1930年に実験提唱したものである。空気の乾球温度(t℃)、湿球温度(t℃)及び風速v(m/s)の三つの要素の組合せによる総合的な効果が人体に及ぼす実感的な温度を同じ体感を得る無風で湿度100%のときの気温で表したものである。
 有効温度による温度表示は人間の実感に近く、空気調和の計画などには最もよく使用される。有効温度は周囲の壁体のふく射の影響はないものとしているので、室温と壁体の温度差が少ないときに使用すべきである。

修正有効温度 C.E.T.(Corrected Effective Temperature)

人体をとりまく壁体や暖房用の放熱面などの表面温度によるふく射が影響を及ぼす場合には、有効温度では実感と異なるので、有効温度にふく射の影響を加味して考えた修正有効温度が使用される。
 修正有効温度を求めるには、有効温度と同じ図表を用い、乾球温度の代わりに、周壁のふく射温度の効果がわかるグローブ温度計の温度を用い、湿球温度の代わりに空気線図の上で普通の乾球、湿球温度から求めた絶対湿度一定の線と、グローブ温度との交点を通る湿球温度の値を用いる。

効果温度 O.T.(Operative Temperature) ☆

 乾球温度、気流、周壁からのふく射の総合効果を表したもので、実用上は周壁面の平均温度と室内温度との平均値で示されるもので、周壁表面温度と気温の差が比較的大きくて、汗の蒸発の少ない暖房時に用いられ、湿度の影響は無視されている。

等価温度 ☆

 グローブ温度計によって求められる温度である。
 グローブ温度計は、周囲のふく射と空気温度との総合結果の温度を示すものであるが、周囲の気流の速度は小さいことが必要である。
 グローブ温度計は、ふく射熱を吸収するために、つや消し黒塗りの中空銅球の中心に温度計を挿入したもので、気温にふく射を含めた感覚を表示するが、無風に近い状態で、気温と壁面温度に差のあるときに有効なものとされている。気流の速度が大きいと気流によってグローブ球が冷やされて不正確となる。

新有効温度 E.T.*

 有効温度は湿度100%点を基準としているので、高温環境軽作業時には比較的良く適合すると言われているのに対し、新有効温度は湿度50%の点を基準とするものである。湿度50%の方が100%より日常的であるので、新有効温度の方が数値として経験的に関連しやすいという。







  • 最終更新:2009-10-20 22:50:53

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