気象要素

気象要素

大気の組成

自然の大気は、その大部分を窒素と酸素で占められている。その他の成分は1%程度に過ぎない。表1.2-1に示すとおりであるが、この関係は地上20kmぐらいまで大きな変わりがない。しかし、地表に近い大気では、地表からの水分の蒸発により水蒸気を含む湿り空気となっている。水蒸気の含有量は、大気の温度によって限度があるので上空にゆくに従って減少する。地球表面で水蒸気の含まれる限度は、重量比で4%程度までである。

表1.2-1 乾き空気の組成
成分 容積百分率(%) 空気に対する比重
窒素 N2 78.09 0.97
酸素 O2 20.95 1.11
アルゴン A 0.93 1.38
炭酸ガス CO2 0.03 1.53
ネオン Ne その他 ----- -----
(気象学ハンドブック参考)

気圧

 ある地点における大気の圧力を気圧という。気圧を測るには水銀柱による方法が標準的である。

 気圧は大気の圧力であるから、当然、標高差によって差を生じる。気圧の値を示す場合、測定点で測定した値をそのままま示す場合は現地気圧と呼ぶが、これを標高0m温度0℃の標準状態に補正して示す場合には、海面気圧と呼んで2つ以上の測定点間の比較に使用する。

気温

気温とは大気の温度のことである。気温は測定する高さによって差異を生じるので、一般には地表上1.2m~1.5mの高さで、風通しのよい場所において測定した大気の温度を気温と呼んでいる。

 気温を観測する場合は、日照・通風のよい空地(露地)に百葉箱を設け、箱の底が1m程度になるようにして箱の中に通風乾湿計、最高温度計、最低温度計、自記温度計、自記湿度計などを設けて測定する。百葉箱は雨や熱ふく射をさえぎり適当な通風を与えるために屋根を設け、周壁は遮光グリルとしている。

 気象の観測に当たっては、記録を残したり統計を整備するために、測定の方法や観測値の算出にはできるだけ共通の方法を用いて行われる。観測回数は、1日24回(毎時)、8回、4回、3回、2回、1回などの種類があり、気象要素や気象官署によって異なっている。また、平均気温の算出と称呼は次のように定めてある。
 1日数回行われた気温測定値の平均を日平均気温という。
 日平均気温を1ヶ月にわたって平均したものを月平均気温という。
 同じように5日、10日にわたって平均したものをそれぞれ、半旬平均気温、旬平均気温という。

 観測開始以降の日平均気温、旬平均気温、月平均気温、年平均気温を累年平均したものをそれぞれ、累年日平均気温、累年旬平均気温、累年月平均気温、累年平均気温という。気温の最高と最低を気温の極値というが、極値もそれぞれの平均値を統計として記録されている。

湿度

 湿度とは湿り空気中の水蒸気量を表す数値をいうが、湿度を表示するには、いくつかの表示法がある。
 絶対湿度(g/㎥)は、空気1㎥中に含まれた水蒸気量をその重量で示し、比湿(g/kg)は、空気1kg中に含まれた水蒸気量をその重量で示すものである。ただし、工学上(空調工学)では、絶対湿度は湿り空気に含まれる水蒸気の重量kgと乾き空気の重量kg'の比 kg/kg'で表される。なお、乾き空気の重量はkg'のほかにkg(DA)で表されることもある。
 これに対して相対湿度(%)は、湿り空気に含まれた水蒸気の分圧と、その空気温度での飽和水蒸気分圧との比を百分率で示すものである。

風向、風速

 地球上の気流は、大気の温度の差によって起こる対流と考えられる。大きくは赤道付近で上昇した大気が、両極で降下する循環が考えられるが、実際には大陸や海洋の分布や地形の影響で複雑な現象を呈する。普通冬季には大陸部は低温で高圧となり、海洋上は高温で低圧となるので、大陸部から海洋への風となり、夏季にはその逆の風となる。
 日本付近では、冬季は北又は北西の風が多く、夏季には南又は南東の風が多い。
風速は単位時間に空気が移動した経路の長さであり、風向はその方向をいうもので、風とは風向と風速により決まるベクトル量の一つと考えられる。普通、地上の風を測定するには、6~10mの高さで周囲の影響を受けない位置において行う。測定に使用する計器には、次のようなものがある。
1)自己風向計
 回転軸にⅤ形に2枚の矢羽根を取付け、羽根の回転方向により風向を測る。
2)自記風速計
 回転軸に3~4個の半球形の風杯を取付け、風を受けて回転した軸の回転数から風速を測る。
3)プロペラ風向風速計
 飛行機形のもので、4枚翼のプロペラ軸の回転数から風速を測り、機体の垂直尾翼の動きで風向を測る。

 風速の場合は m/s で表示されるが、瞬時の風速を示す場合と、1分間、10分間というある時間内の平均風速を示す場合とがある。一般には、10分間平均風速を単に風速と呼んでいる。

降雨

 日本の年間降雨量は全国平均で1300mm程度である。
 ヨーロッパの平均560mm、アメリカの650mmに比較すると多量の降雨である。
 降雨量は、雨量計で測定するが測定では受水器の設置に注意を要する。普通は口径10cm程度の円形断面の受水器を水平に設置して使用すれば、観測値に誤差を生じない。ただし、受水器の付近で風の強い場合などは降雨の捕捉率がおちるので注意を要する。特に雪の場合の捕捉はむずかしい。



  • 最終更新:2009-08-11 23:47:09

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